稲作

2007年8月13日
ものに名前がそれぞれあるように米にも名前がある。
農家の出ゆえ三つ子の魂でしっかり覚えている。

大人の会話の中に農林○○号といったもんだ。
稲作は地域共同体で成立する作物で農家の証を象徴する。
米どころは地域の勲章ですらあった。

ただ、時代遅れのお話しではある。
トラクターや田植え機コンバインは見たことも無い共同作業でしか農業成立が難しい村内が総協力の頃しか知らない。
スクリーンでいうならイタリア映画の「苦い米」の頃だ。
なにも早苗娘にシルヴァーナ・マンガーノのはちきれんがばかりのお尻付近の肢体の魅力に
魅せられ悩殺され記憶にあるわけではない。

驚かないでください!
田植えのときは学校も休み田植え優先でも社会がとおってた頃。
戦後朝鮮戦争、東京オリンピック頃までは義務教育の実態は総であったモンです。

中世日向の支配者伊東氏の調査はあちこちに飛び火百花繚乱。
日向新しき村も伊東48城のひとつであった。
大正7年の武者小路実篤の日向の新しき村で逆に驚いてました事がある。

牛馬を使うことも炊飯の基本、米が膨らむ事さえ知らなかったのだ。
高城字町の深水桑一が生活、農業全般を教え、牛馬の使い方、
田畑の興し方維持管理は地元石川内、十住常一が協力したとあった。

学習院同人が主流の白樺派らしいエピソードである。
白樺派にさえ学習院のお坊ちゃまいつまで続くかと揶揄され見られていた。

準備段階の我孫子では何をしてたんであろう。
武者小路の書生の金子洋文はどうしていたのか。
後の小牧近江と共に種蒔く人を創刊する秋田・土崎の米どころの人がいたはずである。

農業の基本は米に有り。
考えようによっては一番手間が要らない農産品の優等生。。

村総出の共同作業の頃から日向カボチャやキュリ葉タバコに比べると作業の手間は楽である。
圃場の代掻き水漏れが無いように畦塗りを済ますと

具体的には苗田の種まき準備
有に30kgはある種籾の準備から始まる。

発芽しやすいように五右衛門風呂に何回かつけて後に苗田に蒔いた
これは秘伝で誰もがどこの農家でもやってた訳ではない(確?)

籾の品種ごと袋が違って何回かに分けて入浴と水浴の繰り返し。
太古の記憶の眠りから発芽生命DNAの覚醒。

苗代の田は四方に神木シャカ木をお供えしお祓い済みの御幣を立てた。
角の隅はお供え物の団子が供えられる。
お金持のところは現金で買う「パン」

現集落も含めて恥を偲びうまく立ち回れば育ち盛りの食欲の飢えを凌げた。
苗田の水周りの関係も有り播種の日は微妙にずれる。

「明日はどこん家の苗代つくりや〜〜」
情報を制するものは力を誇示できる。

友達のみんなに食を提供できるからだ。
日ごろの気配りはガキ大将たる必須要件。

「あっこの苗田、農林○○号じゃぁねえ〜」
「昨日の苗田とは違うねぇ〜」
燻灰を撒いた跡の上に種籾は蒔かれている。

「ちっとシギっ(多すぎ)ちゃァ〜ねっか」
「苗とりが楽ジャアアァ〜むんね。」
ナントモませた大人びた会話がわっぱのなかに繰り広げられる。

農産品の食が狭義の取引で経済が地域限定で生産消費されていた頃は
のどかな田園地域が形成されていた。

それは有史以来のつい数十年前まで繰り返されてきたことである。
日本の昭和20年からの変化がどれだけ急激であったのか。
卑近な事例で置き換えてみよう。

生命の発生進化と太陽の位置が緑の惑星・地球を不思議に作り出した。
多くの奇跡に近いことが繰り返され人類の生命を生み出した。

種の起源を解き明かしエネルギーの元に太陽そのものさえエネルギーとした。
それがどれほどの時間であるというのか。
すべての価値にグローバルがくっついて世間を跋扈している。

46億年の地球の歴史を一年に置き換える。
生命の誕生は2月中旬
人間生命の誕生は12月31日午後8時。

作物の誕生はわずか一分。
12月31日午後11時59分。

わずか1分でかくも飽食の環境を作り上げた.ものである。
それがついに自給率40パーセントさえきってしまったわが国。

米粒の実る量、稲丈が短いもの宿悪のイモチ病に強いこと
品種改良の研究が重ねられ稲作の目柄は300を越している。

国の予算を使っての品種改良にはカタカナ呼び名が品種毎にある。
国の予算以外は他の名をつける。

愛知県の日本晴れ、秋田県のあきたこまち、山形県の花の舞などである。
宮崎農業試験場はヒノヒカリ。農林番号もカタカナゆえ国策の改良品種。コメの作付け面積の三位を占めている。

紹介では次のようにある。
収穫前の稲穂早晩性は、中性に属する。いもち病、白葉枯病にやや弱く、耐倒伏性がやや弱い。
穂発芽性は「難」。ヒノヒカリの収穫適期は、出穂後45日目が標準である。
天候やほ場の条件にも左右されるので、籾の約90パーセントが黄変した頃を収穫適期の判断の目安とする。
コシヒカリよりやや小粒。食味は極良であり、上の中に区分される。

ヒノヒカリ(南海102号)は、コシヒカリ(越南17号)と黄金晴(愛知40号)の交配で生まれた水稲ウルチ米である。

育生は、宮崎県総合農業試験場で行われた。種苗法登録年は、1990年。
名前の由来は、西日本(九州)を現す「日」(太陽)と、その飯米が光り輝くさまから。

九州を中心に、中国・四国地方や近畿地方などで栽培されている。
現在、栽培適地の多くの府県で奨励品種に指定されている。
このため、日本でコシヒカリ・ひとめぼれに次いで3番目に多く栽培されている品種となっている。

1989年(平成元年)全国累計で1,797haの作付面積であったが、1999年(平成11年)には33,248haを記録し
、以降ヒノヒカリは全国第3位の作付品種である。

最近は国予算でも限定がなくなった。ひとめぼれは農林313号。
良食味米が研究され品種改良が重ねられてきた。

とりわけ二つの銘柄を聞かれたことがおありであろう。
ピッタリの番号とキリの良いのは偶然らしい。

コシヒカリ(農林150号)
経過を経て福井県農業試験場とされる。
農林22号と農林1号の掛け合わせ。

ササニシキ(農林100号)
宮城試験場末永喜三が開発した。

品種改良の目的は高温度に耐え、イモチ病に強く倒伏にも強いこと。

世界の米の名前は、産地や特徴を名前にしている。
ロシアの「クラスノダール米」はクラスノダール地方。

ブータン王国やスリランカのお米は赤い米粒なので「レッドライス」。
このほか、イタリアの「ヴィアローネナーノ」「アルボリオ」、
パキスタンの「バスマティーライス」、
アメリカの「ワイルドライス」、
オーストラリアの「ミリン」「マナガー」など日本のお米と同じようにそれぞれ名前がついている

日本人全体で1年間に必要なお米の量は、およそ960万トン。
成人20〜30歳は1年間に約60kgのお米を食べている。
人気はとてもおいしく光るような白いお米だったことから「こしひかり」

平成16年産水稲の収穫量は全国で872万1,000t。
都道府県別では
北海道が62万3,900tくきらら397が中心、
新潟県59万4,700tコシヒカリを中心に栽培
秋田県45万6,300t、あきたこまちを中心に栽培
福島県45万5,700tの順。

 また、水稲の品種別収穫量割合をみると、
コシヒカリが37.8%で最も多く、
ひとめぼれ 10.2%、
あきたこまち 8.4% 
ヒノヒカリ  8.4%、
キヌヒカリ 3 %
わせてあきたこまちやひとめぼれ、ヒノヒカリなどコシヒカリ系統の新品種が誕生している。

江戸期は農家風景があちこちにあった。
あの隅田川の向こう岸・向島三囲(みめぐり)神社
文人墨客の記念碑めぐりが楽しい。

江戸期僧白雲は宝井其角と向島を通りかかる
どこからとも無く聞こえる村の祭り・・村の周の雨乞いであった。

1693年元禄6年は全国日照りが続き水不足。
村中で雨乞いしてだがご利益の効果が無い。

「効験がある雨乞いをしてくれ!和尚様!」
「この方は有名なお方じゃ頼むと願いはかなおう」

突然指名された宝井も大した物。平然と受けて立つ。

神棚を見ながら、おもむろに手を洗い口をすすぐ
祝詞ゆえ全国共通。日向の地名尽くしであろう。

「日向の橘の小戸の阿波岐ヶ原・・・・・」
「カシコミかしこみもうそう〜〜」

神前には「豊か」を織り込んだ句を奉納した
   夕立や 田を見めぐりの 神ならば

田を巡検して守る神ならいらっしゃるなら、なにとぞ夕立を恵みください。
するとどうだ!。

筑波の方向から雷が鳴り出し
盆を返したような大雨。

ちょうど12日今朝の3時20分ぐらいの」日向そのもの。
突風。ガラガラばたばたの大粒の雨

句碑は今もある。
ほかも探すと楽し!

四方赤良(太田蜀山人)の狂歌仲間
失楽菅江(あっけらかんこう)

執着の心娑婆に残るらん
    吉野の桜更科の月

ナメチャァ〜イケマセンゾ!
この方職業幕府与力。

一心太助風に生きたら命がいくらあっても足りない。
無礼打ちが認められていた

「脇にさしたる二本をなんとおもいか」
「二本差しが怖くって魚河岸やってられるっか!うなぎだって二本差してるわ〜〜」
「なに〜〜ムムムムッ〜武士を馬鹿にするとは・・そこに直れ!手打ちにしてくれる!」
「手打ち!?じゃぁうなぎはやめてソバにしとこう!」

おあとがよろしいようで・・・・ジャンじゃん!

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索